宝くじ発売初日などに長蛇の列ができる、全国有数の宝くじ発売所として有名な東京・銀座の「西銀座チャンスセンター」が、年明けから閉鎖されている。窓口前の造園工事のためだが、工事期間は3月末までで今月下旬に発売開始の「グリーンジャンボ宝くじ」には間に合わない。現在、近くに設置した仮設店舗で営業中で、同センターでは新たな行列対策を準備中。「変わらず宝くじは売っているので、ぜひお越しください」としている。(高柳 哲人)
全国から夢を求めて多数の宝くじファンが集まる西銀座チャンスセンターは、3週間近くにわたりシャッターが閉まったまま。現在、“冬眠”に入っている。
理由は、売り場前の「数寄屋橋公園」の造園工事。中央区環境土木部によると、「地面のタイル部分が破損し、水がたまるので利用しづらい」などの声が上がったことから改修を決定。工事は公園周囲を壁で囲い、1月12日から3月31日まで続けられるため、窓口を閉鎖せざるを得なくなった。
1981年に現在の場所に移転したチャンスセンターが、これまで閉鎖したのは2回だけ。前回の94年も公園の工事のためで、22年ぶりとなる。ただ、当時は「高額当選がよく出る」と知られ始めた頃。現在と比べると注目度は低かった。
同センターには、全部で14か所窓口があるが、最も人気なのが「1番窓口」。売り場までの列は“億の細道”と呼ばれ、ジャンボ宝くじの発売初日や大安の日には、購入まで4~5時間かかることもあるという。そこまでしてファンが並ぶのは、「当選実績」があるから。2010~14年の5年間で、億万長者が38人、計68億円を手にしている。
現在は、歩いて1~2分の西銀座デパート入り口前で、仮設店舗として営業中。窓口は4か所しかないが、後藤義久店長(63)によると「今の時期は、常連さんが中心なので問題なく営業できています」。通常の窓口を閉鎖したことに対する苦情なども届いていないという。
ただ、問題は全国から購入者が集結するジャンボ宝くじの発売時。「グリーンジャンボ宝くじ」は今月24日から販売(3月18日まで)される。後藤店長は「今後、ホームページなどで周知を進めていく予定。窓口の数も増やし、お客様の列についてもシミュレーションの真っ最中です」とした。
同センターは昨年のグリーンジャンボ宝くじでも1等(4億円)が1本当選。100万円も36本出ている。後藤店長は「お客様は『西銀座はたくさん宝くじが売れるので当たりがある』と思って来てくださる。売る窓口は違いますが、当たりがあるという可能性でいえば、いつもと変わりませんから」と呼び掛けていた。